最近新聞なんかでも「長期金利」の話題がよく出ますが、このレポートでは基本的な解説をします。
【長期金利とは】
長期金利は、金利の指標としては非常によく気にされる指標です。米では、代表的な指標として「十年国債利回り」をさします。
これは国債マーケットで決定されます。その変動は、政策金利である公定歩合なども影響は与えますが(後で説明)、基本的には国債市場での取引などが影響します。(正確な決定式はこちら)
【長期金利が上昇する理由】
・ |
FRBや日銀などが、政策金利である公定歩合を実際に引き上げる |
・ |
景気が過熱気味
→市場が「それを引き締める(公定歩合を上げる)」と金融政策の見通しを予想し、それを反映する |
・ |
国債多発による需給悪化懸念(国債価格低下、金利上昇) |
【長期金利が上昇したことの影響】
・ |
加熱した景気を引き締める(通貨供給が減る→株が下落) |
・ |
投資(設備投資・住宅投資)に悪影響を与える。(一般に「投資」は利子率の 減少関数と考えられています。ただしポイントは、実質利子率の減少関数という事です。金利が上がっても、同じ位物価が上がっているなら実質金利は上昇していない事になります) |
・ |
通貨が増価する(円高になったり、あるいはドル高になる)
→自国の輸出が減り、輸入が増え、経常収支が赤字傾向に |
【長期金利が低下する理由】(上昇する理由の逆ですが)
・ |
FRBや日銀などが、政策金利である公定歩合を実際に引き下げる |
・ |
景気の過熱感が後退→市場の中に「FRBが利上げする」という観測が薄れる |
・ |
景気が後退局面→市場が「FRBが利下げするだろう」と予想して、おりこむ |
・ |
国債発行額が減少して、国債価格が上昇→金利減少 |
【長期金利が低下することの影響】
・ |
投資(設備投資・住宅投資)が増加 |
・ |
株式市場・投資信託の活性化 |
・ |
通貨の減価→経常収支黒字傾向 |
|