国債のメカニズム(00.1.20)
国債の利回りが上がると、債券価格は下がるといいますが、正式にはどのようになっているのでしょうか。
正式な国債の利子と価格の関係は、
クーポン+(額面−流通価格)/残存期間
流通利回り= ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ×100
流通価格
クーポン+額面/残存期間 1
= ━━━━━━━━━━━━×100− ━━━━×100
流通価格 残存期間
です。
これより、流通価格が上昇すると利回りは下がり、価格が下落すると利回りが上がることが分かります。クーポンというのは株式でいう配当のようなものです。
また、「債券利子−定期預金利回り」が流動性プレミアムよりも小さければ、債券利子は定期預金利回りよりも低いことになります。すると消費者(投機家)は、債券を売って預金するわけです。それによって債券価格が下がり、同時に上記の式によって分かるように債券利子は上昇することになります。
このようなメカニズムでもって、「債券利子−定期預金利回り=流動性プレミアム」という式が恒等式(常に成り立っている)であることが分かります。
【流動性プレミアム】
流動性の高い貨幣を持つことによるプレミアム。債券はすぐに売買できるので、一定期間預ける定期預金よりも流動性が高い。