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アメリカ長期金利の動向(00.6.18)

 

【金利の変動】

アメリカの長期金利は、6月17日現在、5.96%です。トレンドとしては5月半ばくらいから一貫して低下しています。(日本は2%弱くらいで、弱含みです)

ご存知のように、アメリカは9年にもわたる好景気で、最近は各指標に景気過熱感が感じられるほどでした。そこでFRBは引き締めるために、数回にわたる公定歩合引き上げを実施して、それを受けて長期金利は上昇を続けました。そして金利は6%を超えるまでになったわけです。(日本は2%をきってますから、差がすごくあります)

それがここ1ヶ月くらい(5月半ば以降)住宅着工数や消費などの経済指標が低調になってきて、過熱感も薄れてきたので、金利も低下傾向になったのです。

まとめると、

景気が過熱→金利上昇傾向→景気過熱が一段落→金利下落傾向

となります。今後も好景気が一段楽して、この傾向が続くでしょう。

【意志決定について】

アメリカは、グリーンスパンFRB議長が中心になって、政策金利の上げ下げを決定しています。今までの所、そのコントロールが適切である、とマーケットから多大な信認をえています。(史上最高の議長との評価もあり)

今アメリカは「ソフトランディングorハードランディング」の議論があります。これは、過熱した景気が、一気に調整される(時にはオーバーシューティング)のがハードランディング、段階的に調整されるのがソフトランディングです。

これは今後のアメリカ経済のシナリオとして重要ですが、政策金利の決定が1つの鍵になります。

柔軟・適切な引き下げソフトランディング
硬直的な引き下げハードランディング

当然ソフトランディングが望ましいシナリオで、そのためには経済情勢や市場の反応などを敏感に汲み取った判断が必要になります。

ただ現状のようにグリーンスパンさんに大きく依存する体制は危険といえます。適切な政策の実施のためには、多角的な視野による判断が不可欠で、何より、その決定がマーケットの信認をえていることが重要です。現在のように、マーケットが特定の個人の言動に過度に依存していると、実体経済と乖離していても、その判断を信用するため、後にロスを生じる反応をしてしまう可能性があるからです。

そこで現状の「個人依存の仕組み」から「多角的で、それが市場に信認される意志決定の仕組み」を作るのが重要でしょう。

 

 

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