財政赤字解消への政策アイディア2(00.3.25)
※投稿されたご意見を、片山が編集・一部修正
■中島様より
1 財政拡大には賛成。金利が安くなるから。
2 政策に沿った支出を。バブルの時インフラ不足が指摘されたのに、なぜ
改善しないのか。
ex) 小田急複線化、外環・圏央道の建設、羽田巨大化、成田24時間化、
情報スーパーハイウェーの設置など。
3 国と地方との役割分担=地方分権
大本営の作ったインパール作戦状態。私は千葉県の田舎に住んでいるが、
慢性渋滞の名所がある。国道だから市独自で拡張できないのだろう
(市は拡張を毎年陳情している、と宣伝)。予算はきっと政治家と官僚の
懐に入っているのだろう。
■コメント
財政拡大が国債によるものであれば、需給悪化懸念から国債価格が下落して、その結果長期金利は上昇しますので1はsupportされません。また「金利が安くなると設備投資が上昇する」というのが理論ですが、現在の日銀の0金利政策にもかかわらず、設備投資がそこまで伸びていないのでつらいところです。(日銀的には頑張ってるのに手詰まり)
2については、非常に重要です。空港については地方や海外の方はそこまで関係ないですが、成田の行き詰まりは問題視されており、ハブ空港としての羽田の拡張は政策課題です。こうした、将来的に波及効果を生み出すsectorに公共投資をすることが、公共投資の生産性を上昇させることになります。よくいわれますが、バラマキ型公共投資は生産性に寄与せず、1回限りの効果だけなので、やめるか、あるいは減らすべきです。(=お金の無駄遣い)こうした部分のスリム化(無駄な支出削減)が財政赤字削減への近道です。
現在なぜバラマキ型が現存しているかといえば、財政支出決定メカニズムの硬直性があります。各省ごとの予算配分は、いまだに「前年比何%増減」という形で決定されます(=増分主義)。そうすると各省とも頑張って予算を取ろうとするので、「50%減」といった大幅な変動はなくなるわけです。信じられないでしょうが、例えば農水省予算は、いまだに産業政策として国内農業を保護育成していた当時の予算規模とほぼ同じなのです。減反政策もほぼ終了し、本質的な使い道がないものの、獲得した予算を使わねばならず、農道空港などそこまで効果がないと言われているものに回されるわけです。
もちろん、財政的な余裕があればそんなに問題ないかもしれませんが(それでも問題でしょうが)、現在は財政破綻の目前まで来ている緊急事態であり、そうした旧来的なシステムではなく、ゼロベース主義で本当に必要なものにだけ横断的に優先順位をつけて、予算決定することも財政赤字削減へ向けた、1つの政策アイディアになるでしょう。
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