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!!使える!!経済の基礎知識から応用まで
Economics Today
1998/12/27号
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みなさん、こんにちは片山です。
ちょっと遅れ馳せながらですが、メリークリスマス。
東京は晴れ晴れとして気持ちいい2日間でした。
(風は冷たかったですが)
さて年末ということもあり、学校のアドレスで読まれている方は
冬休みに入り、また何かと忙殺されることも多かろうという事で
今回は雑談・まめ知識にしたいと思います。
だーと読み流して頂ければ幸いです。
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■目次
1 閣議の本質
2 ケインズ経済学のスタート−学問の保守性
3 編集後記
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1 閣議の本質
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みなさん、閣議をご存知ですか?
内閣の会議のことで、よくテレビなどでも閣議の風景が放映されます。
首相を中心ににこやかに談笑して、コ字型になって座っています。
しかしながら、あれはテレビ用のカットであって実際の閣議は別の部屋で
撮影なしでおこなれています。
そしてそこで実際何が行われているか、ということです。
各大臣が自分の管轄内の決定事項を読み上げて、その他の大臣のサインを
もらう、ということが主な内容です。
そして、その読み上げるべき決定事項は1つのレポート形式になっているため
それを順々に回していきます。
どの大臣も必死にサインしているので、読みあげられている内容には
さして興味を持ちません。
当然あんな談笑はなく、静かなものでわずか10分程で終わるといわれます。
さらに面白いことに、もちろんたまにでしょうが、大臣が読み上げる際、
自分の管轄のことを把握しておらず、自分の管轄部分を読み終わった後
次のページまで読んでしまうことが多々あるそうです。
すなわちそれは次の大臣の分、ということになります。
そしてそれを誰も気付かないというのでさらに問題です。
笑える話しのようですが、実際は笑えません。(笑)
このケースでは、ただひたすらに官僚の用意したペーパーを読み上げて、後は必死に
サインしているだけ、という事になります。
それが閣議の本質ということになれば、まさに「形だけ」ですね。
もちろん、全てのことに精通しているのは不可能かもしれません。
ただせめて自分の管轄のことくらいはキチンと把握して欲しいところです。
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ご意見・質問などは気軽にこのアドレスに---- katayama@netjoy.ne.jp
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2 ケインズ経済学のスタート−学問の保守性
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経済学の歴史をひも解くと、いわゆる古典派経済学、ケインズ経済学、
新古典派経済学、近代経済学と分けられます。
その中で「ケインズ」という言葉は、皆さん1度は聞かれたことがあるとは
思いますが、元は人の名前です。
詳しくは、書くとそれだけで本が何冊も出ていますので省略しますが、
そんな彼の経済学の基本的な立場の中で、現在我々が身近に感じることが
出来るのは、政府が景気の変動において大きな役割を果たしうる、
という部分です。
いわゆる市場至上主義である「見えざる手」の古典派などとは違い、
市場の失敗の存在を前提に、総需要管理政策(マクロ的視点で政府が政策を
行うことの優位性)を唱えています。
昨今の日本の景気対策のおける特別経済対策や減税などはそのいい例です。
景気が悪い時は政府が財政支出でもって国を支えるというもので、
いわゆる「小さな政府」論やマーケットメカニズムの卓越が進む中、
いまだ処方箋を講じる際の考え方の基礎になっています。
こんなケインズ経済学は、イギリスの経済学者ケインズが発表した
「雇用・利子および貨幣の一般理論」(1936)によって世間に登場し、
瞬く間にマクロ経済学の基礎を築き上げました。
しかしながら、こんなケインズ経済学でさえも、発表当時は実は共産主義と
見られていました。
すなわち、国家による経済の統制だと捉えられたのです。
もちろん市場の存在を肯定している点(価格の変動や雇用や利子についての
マーケットを通じた調整)や所得の再分配の効率性を重要視している点、
なにより個人の所得を認めている点で明らかに違うのですが、
当時はなかなか受け入れられなかったようです。
天動説と地動説のような感じかもしれません。
かのガリレオは、当時通説だった天動説に異を唱えた地動説訴えた事で
裁判にかけられました。
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地動説とは字のごとく「地(地球)」が「動いている」、
天動説は、「天(空)」が「動いている」という主張のこと。
当時キリスト教の間では、天動説が主流であった。
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その際有名な言葉「それでも地球は回っている」を彼は言ったわけです。
まあそれに比べてケインズはこのような迫害を受けたわけでもなく、
しばらくしてアメリカの財務長官となり、アメリカの経済政策を担うまでに
なりました。
どの学問も、斬新なアイディアは、保守的な層によって、あるいは人間の持つ
本質的な保守観念でもってまずは否定的にとられがちです。
そんな既存の概念を打ち破れるインパクトこそが、画期的な理論であること
の証明なのでしょう。
ここから先は、学問全般の話しになって僕の守備範囲を超えるので
後はみなさんに議論をお任せします。
ただ経済界においても、ここ数年の日本では、いわゆる日本的慣行が崩れ、
新しいスタイルにが垣間見えてきています。
リスクに対する考え方の変化や、規制緩和による競争原理の徹底、
取り引き慣行の瓦解など、国際環境の変動と共に大きな変革期であることは
間違いありません。
最低でも、「今はそういう時期なんだ」という意味での危機意識を持つことが
それを乗り切る上での必務となるでしょう。
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ご意見・質問などは気軽にこのアドレスに---- katayama@netjoy.ne.jp
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3 編集後記
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いよいよ年末です。
年賀状も書いてないし、卒論もまだ仕上げには程遠いです。
まだまだHappy New Yearとはいえなさそうです。(笑)
さて、このマガジンを配信しているまぐまぐシステムが年末年始にかけて
停止するようなので、今年はこれが最後の配信になります。
まだ4回だけですので駆け出しの域を脱しませんが、
みなさんのおかげでここまでやってこれたと感謝しています。
まだまだ足りない部分もあるのは自覚していますし、逆に毎回それを
補っていくアイディアを考え出すのは楽しみでもあります。
また予想以上の反響をいただき、毎回ますますやる気充分になっています。
これからも気軽にご意見・疑問などメールで寄せて頂きたいと思います。
来年も宜しくお願い致します。
ではよい年の瀬を。
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○メールマガジン「!!使える!!経済の基礎知識から応用まで」1998/12/27
発行部数:2334部
発行者 :片山 健太郎
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