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Economics Today
2000/3/25号
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みなさん、こんにちは片山です。
花粉症をいまだに引きずっており、鼻をズルズルいわせて書いています。
ジャスミン茶を飲んだら、鼻が詰まっているのでうまく息が出来ず、
むせてしまいました(笑)。どうでもいいですね。。。
さて今回は前回に続き、財政赤字解消のアイディアの特集です。
読者の方のご意見を、片山が編集・一部修正しております。また、ポイントに
なる点についてはコメントをつけてあります。
ではまた最後で。
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■目次
1 財政赤字解消への政策アイディア2
2 財政赤字解消への政策アイディア3
3 編集後記
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1 財政赤字解消への政策アイディア2
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●るんるん様より●
積極的なすばらしい政策を考えついたわけではないのですが、少なくとも
減税は必要ないと考えています。
「日本は不況ではない」=「指標が誤っており、数字が不況を表しているだけ」
と考えておりますので、不況脱出のための減税は財政赤字を増やすのみで
無意味だと思っています。そこで
1 適切な規制緩和
2 雇用の流動化
3 産業構造の高度化
などの政策によって市場を活性化させることが、健全な財政赤字縮小へと
つながるでしょう。
<コメント>
指標の問題は確かにあります。統計上の問題としては、消費に関しては、
単身者世帯の消費、またコンビニやディスカウント店、特売セールなどが
計上されてません。これらは現実的には、消費の相当部分を占めていると
考えられますので改定の必要があり、今度の新SNA(国民経済計算)体系
から変更されます。
僕なんか、コンビニと大型ディスカウント店が消費の大半です。(笑)
ただ、今の日本が不況かどうかについては、一概に言えませんが、前回
お話した需給ギャップ(デフレギャップ)の存在などから、不況である、
といえるのではないでしょうか。最近のGDP速報などから、徐々に
回復しているようですが。(設備投資なども前年比で増加しています)
政策planについては、企業が活発に活動できる土壌をつくって企業収益upを
ねらおう(そこから税収upへ)、というメッセージですが、この2,3年
その方向にむかって政策が展開されているようです。
ただそれが「不況(バブル崩壊)による危機意識」や「外圧」を契機にしている
のも事実であり、85年頃から政府主導で行われていれば、もっといい形に
なっていたと思い、残念です。
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ご意見・質問などは気軽にこのアドレスに---- katayama@netjoy.ne.jp
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2 財政赤字解消への政策アイディア3
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●中島様より●
1 財政拡大には賛成、金利が安くなるから。
2 政策に沿った支出を。バブルの時インフラ不足が指摘されたのに、なぜ
改善しないのか。
ex) 小田急複線化、外環・圏央道の建設、羽田巨大化、成田24時間化、
情報スーパーハイウェーの設置など。
3 国と地方との役割分担=地方分権
大本営の作ったインパール作戦状態。私は千葉県の田舎に住んでいるが、
慢性渋滞の名所がある。国道だから市独自で拡張できないのだろう
(市は拡張を毎年陳情している、と宣伝)。予算はきっと政治家と官僚の
懐に入っているのだろう。
<コメント>
radicalな書き方ですが(笑)、ポイントもついています。
財政拡大が国債によるものであれば、需給悪化懸念から国債価格が下落して
その結果長期金利は上昇しますので1はsupportされません。
また「金利が安くなると設備投資が上昇する」というのが理論ですが、現在の
日銀の0金利政策にもかかわらず、設備投資がそこまで伸びていないので
つらいところです。(日銀的には頑張ってるのに手詰まり)
2については、非常に重要です。空港については地方や海外の方はそこまで
関係ないですが、成田の行き詰まりは問題視されており、ハブ空港としての
羽田の拡張は政策課題です。
こうした、将来的に波及効果を生み出すsectorに公共投資をすることが、
公共投資の生産性を上昇させることになります。
よくいわれますが、バラマキ型公共投資は生産性に寄与せず、1回限りの効果
だけなので、やめるか、あるいは減らすべきです。(=お金の無駄遣い)
こうした部分のスリム化(無駄な支出削減)が財政赤字削減への近道です。
現在なぜバラマキ型が現存しているかといえば、財政支出決定メカニズムの
硬直性があります。各省ごとの予算配分は、いまだに「前年比何%増減」という
形で決定されます(=増分主義)。そうすると各省とも頑張って予算を取ろうと
するので、「50%減」といった大幅な変動はなくなるわけです。
信じられないでしょうが、例えば農水省は、いまだに産業政策として国内農業を
保護育成していた当時の予算規模とほぼ同じなのです。減反政策もほぼ終了し
本質的な使い道がないものの、獲得した予算を使わねばならず、農道空港など
あまり意味のないものに回されるわけです。
もちろん、財政的な余裕があればそんなに問題ないかもしれませんが(それでも
問題でしょうが)、現在は財政破綻の目前まで来ている緊急事態であり、
そうした旧来的なシステムではなく、ゼロベース主義で本当に必要なものにだけ
横断的に優先順位をつけて、予算決定することも財政赤字削減へ向けた、1つの
政策アイディアになるでしょう。
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ご意見・質問などは気軽にこのアドレスに---- katayama@netjoy.ne.jp
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3 編集後記
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なにやら制度的でジャーナリスティックなコメントになりましたが、重要です。
まだこの特集をつづけてもいいので、数行でもよいので意見がある方は
お寄せ下さい。もし掲載不可の場合は、その旨書いていただければ個人的に
返信しますので、ご安心を。
年度末ですが、この3月をもって環境が変わられる方は、4月からも心機一転
頑張ってください。僕も4月からは本格的に研究しないといけないので、相当
考えています。やりたいテーマが何個かあって、絞りきれてないんですよね。
では、また。
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○メールマガジン「!!使える!!経済の基礎知識から応用まで」2000/3/25
発行部数:4604 部
発行者 :片山 健太郎
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