株価などの予測(00.1.10)
よく「2000年の株価の予測は?」「1ヶ月後の為替レートは?」などという質問があるが、実はこれらは経済学的にはナンセンスな質問なのである。
つまり、こういうことである。世の中で頭のよい人が、1ヶ月後に株式が上がることを予測できたとする。その人はその時点で株式を買うわけだが、そのような正しい予測が可能ならば、マーケットには同じような予測ができる人は他にもいるし、マーケットの動きは他の投機家にも波及するので、買い需要が増加し、株価はどんどん上昇する。また最初の頭のよい人は、上がると予想した株価になるまで株を買い続けるので、結局1ヶ月後ではなく瞬時に予測した額に到達してしまうので当初の予測は成り立たなくなってしまうのである。
こうして「3ヶ月後の予測」などは経済学的には成り立たないのである。
しかしながら、金融市場では先物取引や株式の空売りなどが盛んであり、これらが全く根拠のないものであるかというと、必ずしもそうではない。長期的なトレンドというのは存在するからである。
例えばアメリカの株式の好況は、株式以外の資産価格がそこまで上昇していないこと、経済成長の35%が情報化によるものであること(cf.ニューエコノミー論)、などからバブルではない、という主張もある。それが正しければ株式は上昇傾向にあるわけである。
(ちなみにバブルについてもその動向が完全に予想できれば、大金持ちになれるのである)